不動産テック特化VC等
今日は不動産関連のベンチャーファンド、CVC等の出資事例を数点記載したいと思う。海外での動きと共に国内、三井不動産・三菱地所の事例も簡単に記載したいと思う。
■投資ファンドブラックストーングループ
・世界最大の投資ファンド運用会社ブラックストーングループが2012年に自社の業務改善に寄与すると見込まれるスタートアップに投資
・VTSのシリーズA(330万ドル)資金を投資
・世界中に保有する不動産のリーシング管理を一括でVTSに任せて急成長させた。
・VTSはブラックストーンの信用力をバックに利用者数を伸ばしていき16年11月には最大の強豪相手だったHightowerを買収し、時価総額3億ドルとなった。
■MetaProp NYC
・ジローとニューヨークの住宅仲介準大手Warburg Realtyが中心となって設立
「5年間で数十社のスタートアップに対して500万ドル」を投資する計画をたて、100社を超える応募があった
・三井不動産が出資、クッシュマンも協業パートナー
■フィフスウォール(Fifth Wall Ventures)
・ゴールドマンサックス出身者が16年に設立。CBRE、不動産開発大手Hines、賃貸住宅大手Equity Residential住宅建設大手Lenar物流大手Prologis、また三菱地所等から2億ドル以上の資金を調達している。
・第一号ファンドの資金はコーワーキングスペース運営会社のインダストリアスに8000万ドル、Opendoorに3500万ドルを投資
■CVC系
個別のスタートアップに投資したり、ベンチャーキャピタルに投資するだけではなく、不動産の価値を高める目的、事業活動の変革を図る目的の為に一歩進んで自らのアクセラレーターを立ち上げる会社も出てきた。例えばニューヨークでオフィスを保有していたMilstein Propertiesが堅苦しいイメージを払拭する為にグランドセントラルテックというアクセラレーターを設立してスタートアップを募集。その他にもSimon PropertyグループやJLL等も同様の取組を進めている。
次に毎年100社近くの不動産テックが創業している米国と比較すると数は多くないが、日本でもいくつかのプレイヤーが誕生している。
■三井不動産の取組
・VCのグローバルブレインと共に300億円規模のファンド立ち上げ(2018年5月)
・米国においては500 startups、Draper Nexus Venture Partners、などのシリコンバレー有名VCに出資。また不動産特価型アクセレレーター MetaPropにも投資
■三菱地所の取組
・18年11月にDX推進室という組織を作り、国内外の不動産テックへの投資や提携に向けて本格的な取組みを始めた。
・クラウドリアルティ、スペイシー、ナーブ等に出資。またFifth Wall Ventureにも一部出資している。
■Open Network Lab Resi-tech
国内初となる不動産型の特化スタートアップ投資。三井不動産、野村不動産、東京建物、鉄道会社、ゼネコン等が出資。