不動産テックまとめ

総合商社勤務。都市開発・不動産に関わるテクノロジー等の情報をアップデートしていく。

ZORC(①Zillowについて)

最近GAFAはかなり浸透したワードになってきたが、米国においてここ数カ月ZORCというワードが注目を浴びだしているとのこと。

 

ZORCとは何の略か?米国で成長著しい不動産テック企業の代表である4社の頭文字をとったものである。

 

Z:Zillow

O:Opendoor

R:Redfin

C:Compass

 

今日はまず「Z」Zillowの事業概要を簡単に記載したいと思う。

Zillowコーポレーション(Zillowの運営会社)は、元マイクロソフト社のリッチ・バートンとルロイド・フリンクによって設立された。住宅の売却や賃貸の情報を掲載するサイトを運営し仲介業者からの広告収入を主な収入源としている。Zillowが選ばれる最大の要因はその情報量。掲載数は1億件以上。市場で販売されている物件のみならず、販売の予定さえない物件までもが掲載されている。特徴としては物件の価格推移や売買履歴がわかること、また間取りや内装を見ることができることである。Zillowの影響によって売却想定額がオープンになっているアメリアではZillowが独自に査定した「Zestimate」という判断基準ができあがっている。Zillowは同業態でシェアを分け合っていた「Trulia(トゥルーリア)」を2014年に買収し、不動産検索サイト市場で全米最大のシェアを占めている2019年4月にはユーザーが、オンラインのバーチャルツアーで物件の部屋から部屋を見て回れる「3D Home」という機能を追加した。直近の動きとしてはOpendoorがソフトバンクから多額の資金を調達し成功をおさめているのをみて脅威と認識し、iBuyerに本気で乗り出そうという流れになってきている。同タイミングでリッチ・バートンがCEOに返り咲き本気で取り組む姿勢がみてとられる。

 

このようなZillowの事業には米国独特の不動産流通システムであるMLSの情報開示が密接関係している。MSLというのはMultiple Listing ServiceのことでMSL上で売り出し中の物件情報を交換できる。MSLの詳細に関しては別途改めて記載したいと思う。

 

いずれにせよ、日本でも日本版Zillowと呼ばれるようなサービスが出てきているようなので改めてそちらもチェックしたいと思う。