不動産テックまとめ

総合商社勤務。都市開発・不動産に関わるテクノロジー等の情報をアップデートしていく。

ZORC(②Opendoor)

ZORCの2つ目Opendoorについて述べる前にまずは、「iBuyer」に関して改めて述べたいと思う。

iBuyerとはオンラインでの買取再販事業、価格査定アルゴリズムを活用して売り手から直接物件を買い取り、その後転売するビジネスモデル。住宅を売却する際の従来のプロセスは「査定→販売開始→価格調整→内見→交渉→売却」と約2ヶ月〜半年程度時間を要する。その長期の時間を要する仕組みを査定→売却という約2日で簡略化させたのがiBuyerのモデルである。

具体的にはOpendoor、Offerpad、Knockといったプレイヤーが存在する。その中でもトップをいくOpendoorが2018年3月に2,000億円の評価額で200億円の資金調達をするという報道があり業界を騒がせた。また同時期にはZillowもiBuyer市場に参入することを発表。

 

Opendoorは2013年に操業開始、操業から3年足らずでユニコーン企業に名乗りをあげた。住宅の売り手側の売却の流れは、まずOpendoorのWebsite上に築年数、住所等を入力すると当日〜2日以内にメールで仮オファー及び大まかな査定額が送られてくる。その後アドバイザーと電話で相談後、売却に関わる懸念事項を解消する。正式なオファーに納得がいけばオンラインにて署名、その後修繕の有無等を確認の上、売買契約履行の日程が確定する。住宅の売り手は売却価格が市場価格の90%程度となってしまうが一方で現金化を迅速化させられる点、瑕疵担保責任を請け負ってもらえる点といったメリットよりOendoorを利用する。一方、買い手側のメリットとしては購入後30日間キャッシュバック保証や通常の倍の2年間の修繕保証があげられる。

 

Opnedoorはソフトバンクの出資と同時期にデジタル仲介Open Listingの買収を決定し事業の多角化を進めている。Open Listingは内見、申し込み、契約の各業務を分割し、内見はアルバイトに任せ、申し込みはオンラインのみとしエージェントは契約交渉のみに特化することでコスト削減を図ることを可能し仲介手数料は半額となっている。この買収はOpendoorに住宅を売却した顧客から次の住宅購入時の仲介を獲得することを目的とみられている。

 

現在iBuyer事業にはZillow、Redfinも参入してきており、今後も更に各企業の真価が問われるだろう。今後の業界の行方には注目したいと思う。